正直なところ、一番聞きたかった話ではある。
いよいよ3回目のFP相談。
今回から、本題ともいえる家計の見直しと改善に入っていく。
ただ、一番聞くのが怖い話でもあった。
なぜなら、我が家の家計を全部見てもらった結果、
「車なんて買ってる場合じゃないですよ!」
と本気で言われるんじゃないかと思っていたからだ。
将来のお金が心配だと言いながら、その一方で740万円の車を買っている。
冷静に考えれば、
「何やってるんだ?」
と言われても仕方がない。
そんなことを考えていたら、FPさんに言われる前に、思わずこちらから切り出してしまった。
「やっぱり……車買ってる場合じゃないですよね?」
するとFPさんから返ってきたのは、意外な言葉だった。
「車はあなたの働く原動力にもなっていますから、大丈夫ですよ。それよりも、余分なところにお金を使っていないかを考えていきましょう」
少しホッとした。
そして、この言葉は今でも結構覚えている。
好きなものを全部我慢するのが、家計改善ではない。
必要のないところに使っているお金を見つけて、本当に大切なものに使う。
私の家計改善は、ここから始まった。
まずは効果の大きい「固定費」から
FPさんが最初に確認したのは、固定費だった。
毎月何となく払っているもの。
その中でも、まず確認することになったのが保険だった。
FPさんから、
「現在加入している保険について教えてください」
と言われ、保険証券を見ながら一つずつ確認していくことになった。
そこで、少し変わった質問をされた。
「もしものことが起きた場合、家計への経済的なダメージを『大・中・小』で考えてみましょう」
考えるのは、主に3つ。
① 私が死亡した場合
② 妻が死亡した場合
③ 私が病気やケガなどで働けなくなった場合
それぞれについて考えてみることになった。
私が死亡した場合 →「中」
まず、私が死亡した場合。
当然、私の給与収入はなくなる。
妻一人で二人の子どもを育てていかなければならない。
これはかなり大変だと思う。
ただし、私が死亡すれば、住宅ローンについては団体信用生命保険によって返済がなくなる。
さらに、後から出てくる遺族年金もある。
決して楽ではない。
でも、すぐに家計が立ち行かなくなるわけではないのではないか。
そう考えて、
経済的ダメージは「中」
とした。
妻が死亡した場合 →「小」
次に、妻が死亡した場合。
もちろん、家族としてのダメージは金額では表せない。
ただし今回は、あくまで家計への経済的な影響だけを考える。
妻の収入はなくなってしまうものの、私自身の給与収入は残る。
そう考えると、
経済的ダメージは「小」
と判断した。
私が働けなくなった場合 →「大」
最後に、
私が生きているけれど、病気やケガなどで働けなくなった場合。
これを考えたとき、初めて気が付いた。
私が死亡すれば住宅ローンはなくなる。
ところが、生きている状態で働けなくなれば、基本的には住宅ローンの支払いはそのまま残る。
それなのに、家計の中心となっている私の収入が大きく減る、あるいは途絶えてしまう可能性がある。
住宅ローン。
生活費。
子どもたちの教育費。
支払いは続く。
これはかなり厳しい。
つまり、
経済的ダメージは「大」。
……あれ?
ここで気が付いた。
我が家は一番ダメージが大きい「働けなくなった場合」への備えが足りていなかった。
「死亡保険2,000万円。その根拠は?」
続いてFPさんから聞かれた。
「では、ご自身が亡くなった場合、死亡保障はいくらありますか?」
私は答えた。
「2,000万円です」
すると、次の質問。
「その2,000万円という金額の根拠は何ですか?」
「…………」
答えられなかった。
正直に言えば、
なんとなく2,000万円。
だった。
子どもが二人いる。
住宅ローンもある。
自分に何かあったら困る。
だから2,000万円くらいあれば安心だろう。
その程度の考えだったと思う。
そこでFPさんから、さらに質問された。
「では、ご自身が亡くなった場合、ご家族が受け取れる遺族年金がいくらかご存じですか?」
これも答えられなかった。
というより恥ずかしながら、このときの私は遺族年金という制度自体をよく理解していなかった。
遺族年金+妻の収入+保険で考える
FPさんに教えてもらったのは、
「死亡保険はいくらあれば安心か?」
から考えるのではなく、
実際に足りなくなる金額はいくらなのか?
から逆算するという考え方だった。
私の場合、FPさんに当時の条件で試算してもらったところ、私が死亡した場合に家族が受け取れる遺族年金は、月額でおおよそ14〜16万円程度になるとのことだった。
もちろん、これは私の場合の試算。
遺族年金の金額は家族構成や年金への加入状況などによって変わるので、人によって金額は違う。
そこに、妻の収入を加える。
考え方としては、
毎月家族が必要とする生活費
から、
遺族年金+妻の収入
を引く。
そして、
それでも足りない金額を保険で補う。
なるほど……。
保険って、そうやって考えるのか。
私にとっては、かなり目から鱗だった。
「あと10万円あれば足りるんじゃない?」
実際に我が家の家計に当てはめて考えてみる。
遺族年金が月14〜16万円程度。
そこに妻の収入がある。
住宅ローンの支払いもなくなる。
そう考えていくと、
「あと月10万円くらいあれば、何とかなるんじゃないか?」
という結論になった。
そこで改めて、現在加入している保険の内容を確認してみる。
すると……
収入保障 月10万円。
あった。
しかも、ちょうど10万円。
奇跡的に問題なかった。
ただし、
「なぜ月10万円にしたの?」
と聞かれても、やっぱり説明はできない。
結果的には合っていた。
でも、その根拠を私は何も知らなかったのである。
必要な保険が抜けて、同じような保険が2つあった
さらに保険の中身を詳しく確認していくと、別の問題も見つかった。
なぜか私は、似たような内容の医療保険に2つ加入していた。
一方で、先ほど「経済的ダメージ・大」と判断した、
働けなくなった場合への保障が足りていなかった。
そこで、重複していた医療保険の一つを解約。
その代わりに、足りなかった就労不能への保障を追加した。
結果として、
毎月支払う保険料はほとんど変わらなかった。
「なんだ、節約になってないじゃないか」
と思うかもしれない。
でも、ここで大切なことに気が付いた。
保険の見直し=保険料を安くすることではなかった
私はそれまで、
保険の見直し=保険料を安くすること
だと思っていた。
でも、そうではなかった。
必要以上に入っている保障を減らす。
逆に、足りていない保障を追加する。
つまり、
保険の「重複」と「抜け」をなくす。
私自身の保険料はほとんど変わらなかったが、以前よりずっと納得できる内容になった。
これも、FP相談をしなければ気付かなかったと思う。
妻の保険は年間18,000円削減
次に確認したのが、妻の保険。
こちらも内容を確認してみると、
入院給付金 1日10,000円
となっていた。
FPさんと相談し、これを
1日5,000円
に変更することにした。
これだけで、
月1,500円の削減。
年間にすると、
18,000円の固定費削減
になった。
月1,500円だけを見ると、それほど大きな金額には感じない。
でも、保険は毎月支払う固定費。
何もしなければ、これからもずっと払い続ける。
年間18,000円。
10年間なら18万円。
こう考えると、決して小さくない。
家計改善は「我慢すること」ではない
今回のFP相談で、保険についての考え方が大きく変わった。
死亡保険は、
「2,000万円あれば安心」
といった何となくの金額で決めるのではない。
公的な保障がどれくらいあるのか。
家族の収入はいくら残るのか。
そして、それでも足りない金額はいくらなのか。
足りない部分を、保険で補う。
そしてもう一つ。
家計改善とは、好きなものを全部我慢することでもなかった。
私はV60に乗り続ける。
その代わり、何となく払っているお金や、重複しているものを一つずつ見直していく。
使わなくてもいいところのお金を減らして、本当に大切なところに使う。
私にとっての家計改善は、そんなところから始まった。
そしてFPさんの家計チェックは、まだ始まったばかり。
保険の次に待っていたのは、その他の固定費の見直しだった。
ここから我が家の家計は、少しずつ変わり始める。
※この記事は、私自身がFP相談を受けた際の体験をもとに書いています。遺族年金や必要な保障額、保険の内容は家族構成・収入・年金加入状況などによって異なります。保険の加入・解約・変更については、ご自身の状況を確認したうえで判断してください。



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